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NMATを活用して自己理解を促し、人を育てる組織・風土へ

2023年02月07日 NMATの活用 導入事例

NMAT(エヌマット)の活用を通して、自己理解を促進し、人を育てる組織・風土を目指す取り組みをされている、
株式会社イノアックコーポレーション 人事部の町田 祐樹様に、
取り組みの内容と推進されるうえで意識されていることについてお話を伺いました。
(写真は左:人事部長の酒井 陽一様 右:町田 祐樹様)

NMATの利用を決めたのはどんなことがきっかけだったのでしょうか


「人事が組織に向き合って働きやすい環境を作っていく」という取り組みのなかで2021年から新人事制度を導入し、新しいステージ制度(いわゆる等級制度)を設けています。今までの制度や現状をあらためて振り返ってみたときに、管理職手前のところで人が滞留していたり、管理職になった後になかなか思うようなパフォーマンスを発揮できない社員がいたり、というケースがあることが分かりました。

各ステージにどのような人がいるのか、昇進・昇格する社員、パフォーマンス発揮できている社員はどんな人なのかを定量的に把握できていないことに課題を感じたため、課長手前のアシスタントマネージャーというステージの人々に対してNMATを導入してみることになりました。

実際にNMATを導入されたのは2022年度からですよね


はい。新しく研修を切り替えるタイミングで利用を開始しました。実際にデータで見てみると、管理職に向いている人、企画に向いている人、新規事業開発に向いている人などがデータから分かり、人事のなかでも「今まで感覚的に感じていたことが可視化されたことに価値を感じる」という声が上がっています。今後も、NMATを継続しデータを蓄積するなかで共通の指標として活用していきたいと考えています。

NMATを使って実際にどのような取り組みをされたのでしょうか


新しくアシスタントマネージャーになった社員、約20名を対象とした研修のなかの1つのコンテンツとしてNMATを受検してもらい、研修後にオンラインでNMATの結果についてフィードバックの機会を設けました。

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↑研修で投影された資料

フィードバック時にはただNMATの結果についての説明をするだけにとどまらず、「いい・悪いではない、現時点での自分自身の強み・弱みなどの把握」と、ありたい姿とギャップがあるのであれば「どのような能力開発をしていけばいいのか」という点に紐づけて丁寧に伝えるように心がけました。

非常に丁寧にフィードバックの設計をされていますが、どのような意図だったのでしょうか


必ずしも全員の管理職適性が高いわけではないですよね。管理職適性が低いからといってその社員のパフォーマンス全体が低い、という評価にはせず、ゼネラリスト(管理職)として活躍してもらうのか、スペシャリスト(専門職)としての方が能力を発揮できるのではないかなど、それぞれの適性に合った方向への成長を促していきたいと会社としては考えています。そのためには現在の立ち位置を見せて、目指す方向を把握してもらい、それに向かってどのように成長できるか社員自らが意思を持って目指していく、という流れをつくる必要がありました。

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                                  ↑町田 祐樹

そのような、社員一人ひとりの「自律的成長」を促すなかで、人事としては、一人ひとりの成長意欲を高めていくような上司・部下の関係づくり、職場の雰囲気づくりまで含めた「人を育てる風土を創る」というテーマを大きく打ち出していますが、いかに浸透させていくかということが課題と感じています。すぐに浸透するものではありませんし、こういった研修の一つひとつの細かなところなどで地道に丁寧に伝えていくことで、少しずつ風土として浸透させていくことができればと思っています。

今回の取り組みを通じて社内での変化や反響はありますか


管理職の適性を含めて、今年任用されたアシスタントマネージャーにどのような適性があるのかが定量的に把握できた、というのがまず第一歩でしょうか。

 将来的にはNMATを使って、まずは自己理解を深めたうえで「適性」と「ありたいキャリアパス」によって研修やeラーニングの機会を提供し自己成長を促していくような絵を描いています。

貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。


株式会社 イノアックコーポレーション

https://www.inoac.co.jp/

設立
1954年(昭和29年)
事業内容
ウレタン、ゴム、プラスチック、複合材をベースとした材料開発とその製品化により、自動車、二輪、情報・IT機器、住宅・建設関連から身近な生活関連商品、コスメ用品まで、さまざまな場面に密着した製品を取り扱う
社員数
1,846名(2022年4月1日現在)