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管理者適性検査NMATとは? 多くの企業で導入が進む理由とは?

管理者適性検査NMAT(エヌマット)はリクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査です。
1年間で1400社以上の企業が利用し、年間41000人以上の管理職層や、将来的な幹部候補となるリーダー層が受検しています※1。
企業にとって重要な役割を担う管理職層や、その候補者層の登用場面における意思決定の支援を目的として開発され、個人の変わりにくい資質面から適性を把握することが可能です。
近年では次世代育成や能力開発を目的とした場面でも用いられ、広く多様化する職務に合わせて、客観的な適性評価を行うデータを提供している点が特徴です。
※1...2025年3月度
INDEX
- 管理職の適性検査とは? どんな業界で使われている?
- なぜ、管理職向けの適性検査が必要になるのか?
- なぜNMATが多くの企業に選ばれるのか?
・品質が管理されていて安心できる
・紙テスト版とWEBテスト版から選ぶことができる
・管理職に期待される多様な職務の適性を測ることができる
・受検者本人向けのフィードバックツールがある - NMATの受検対象の選び方は? どういうときに利用する?
・次世代リーダー(係長~主任層)
・既任の管理職(課長~部長層)
・即戦力として期待されるリーダー格の採用候補者 - ビジネス成果を大きくするために、社員一人ひとりの資質を生かす
管理職の適性検査とは? どんな業界で使われている?
「適性検査」と聞くと採用選考を思い浮かべる人事の方も多いのではないでしょうか。
しかし近年、管理職の登用や育成において適性検査を活用する企業が増えています。管理職には専門スキルに加えて、チームマネジメントやリーダーシップ、意思決定力など、一般社員だった頃とは異なる能力の発揮が期待されるからです。
「管理者適性検査NMAT(エヌマット)」は、短期的には変化しづらい特性(資質)としての基礎能力・性格特徴と、価値観としての指向を測定し、全国の管理職層と相対的に適性を比較できます。
規模や業種にかかわらず、さまざまな企業・団体で導入されています。例えば、民間企業だけではなく、公的機関や社会福祉法人、医療法人などでも毎年利用されています。
NMATの初版の開発は1969年ですが、企業ニーズや、働く人の価値観、人事制度の変遷を踏まえ、これまでにいくつかの改訂を行っています。
参考:坪谷邦生氏と考える「マネジャー・管理職登用のこれから」第2回 日本における人事制度の潮流と 管理者検査NMAT開発の歴史
なぜ、管理職向けの適性検査が必要になるのか?
NMAT活用の背景にあるのは、昇進・昇格基準の多様化です。
まず、昇進・昇格にあたり、企業側はどのようにして、要件を満たす人材かどうかを評価し、見極めようとしているのでしょうか。
弊社のある調査では、部長・課長への昇進・昇格に際しての評価手法を尋ねています。
各階層への昇進・昇格における評価方法(n=207社)
Q:各階層への昇進・昇格に際して、現在どのような評価方法を取っていますか?
それぞれ現在活用している方法をすべてお選びください。
参考:昇進・昇格選考の運用:管理職層に求める要件の変化と評価手法の実態【後編】
現代の昇進・昇格場面では、幅広い評価手法を駆使して、マネジメントとしての可能性を探ろうとしています。そのなかで今、注目されているのが「客観指標」となる適性検査のモノサシです。
「過去の評価」「自己申告」「多面観察評価」は、ある意味「どこかの時点」を切り取り、異なる視点・手法で評価をした基準です。
これらの情報も意味は大きいのですが、中長期目線でのマネジメントとしての活躍を予想するには、対象者の変化しづらい特性としての「資質」が重要になります。
例えばある職種で過去のプレイヤー評価が高い人が、そのままその部門のマネジメントで活躍できるかは分かりません。
同様に、たまたま本人が力を発揮したプロジェクトでの多面観察結果だけでは、他の職種でのマネジメント可能性は予測しにくいでしょう。
そのような「現時点での動的・主観的な判断材料」を支えるのは、変化しにくい「普遍的な適性検査の静的・客観的な判断材料」となります。
そのため、多様化している昇進・昇格場面において、あらためて客観的なモノサシとしての適性検査が注目されているといえるでしょう。
なぜNMATが多くの企業に選ばれるのか?
管理者適性検査NMATは年間1400社41000人が受検しています。
本章では、NMATが世のなかの適性検査の中でも選ばれている、主な理由について紹介します。
品質が管理されていて安心できる
NMATは、テストの品質を語るで重要な「信頼性」「妥当性」「標準性」という3観点を大事にしています。
※人事アセスメントの品質について、詳細はこちらをご確認ください。
■NMATの「信頼性」
信頼性とは、何度測定しても安定した結果が得られる一貫性のことです。その程度を表す指標を「信頼性係数」と呼びます。
NMATでは定期的に信頼性の確認を行うことで、高い品質を保っています。
■NMATの「妥当性」
妥当性とは、測定したい能力を正確に測れているかという正確性を表します。
NMATでは、管理職のパフォーマンスとNMATの項目の関係性を実際のデータで調査をして妥当性を検証しています。
■NMATの「標準性」
標準性とは、豊富なデータに基づく比較基準があり、結果を適切に解釈できることです。
NMATを受検すると、世のなか一般の中間管理者層の母集団データと比較された受検結果が示されます。
これにより、自社の基準のみではなく、一般的な管理職としての特徴の情報も得ることができます。
NMATの品質を保つために、上記の3観点の検証とチェックを行っています。定期的にメンテナンスを行っている適性検査なので、安心して結果を活用できるとのお声をいただいています。
紙テスト版とWEBテスト版から選ぶことができる
NMATは紙テスト版とWEBテスト版があります。
※2023年にNMATのWEBテスティング版をリリースいたしました。
WEBテスト版は、PCで受検することができ、採点が即時で行われます。紙テスト版は、採点センターに返送後、最短で3時間程度で報告が可能です。
時間が限られるなかでも、スムーズに採点と結果取得を進めることができるので、非常に便利です。
PC・インターネット環境の用意がある場合は、WEBテスティング版の活用が一般的です。ただし、公平性の観点で、紙テスト版の利用を選択するケースもあるため、一概にはいえないかもしれません。
管理職に期待される多様な職務の適性を測ることができる
管理職と一言でいっても、企業や職種によって、その仕事ぶりはさまざまです。
専門的な知見から新たな企画を立案し、そのためにプロジェクトを率いるリーダーとして立ち回る、といった役割もあれば、着実に業務をこなし、その道のプロや第一人者として後輩や他部署に影響力を与えるといった役割もあります。
あるいは、その両方が求められるケースもあるでしょう。
NMATは、「管理者」適性検査という名前であることにお気づきでしょうか?
一般的に「管理職」としての資質を測るために活用されることが多いですが、NMATはマネジメント適性のみを測っているのではありません。
NMATは、中間管理者層を4つの職務タイプに分けて適性と指向を測っています。
これにより、幅広い職務を遂行することが求められる管理者に対し、それぞれの場面で必要となる資質を明らかにして、人事管理や能力開発のヒントにしていただくことができるのです。
受検者本人向けのフィードバックツールがある
NMATは、受検者本人向けの情報が必ず出力されます。
具体的には、フィードバック用の報告書とそのサポートツールが無料で利用できる仕組みとなっているので、受検するだけではなく、結果をさまざまな場面で活用することができます。
NMATは、かつては昇進・昇格の基準として活用することが一般的でした。
しかし、マネジメント層にも業績や成果だけではなく、メンバー育成への期待が高まっていたり、専門人材と管理職人材の道を選ばせるような複線型の人事制度が普及してきたりといった背景を踏まえ、ご本人のフィードバックやキャリア開発につなげようとする動きが増えています。
NMATの受検対象の選び方は? どういうときに利用する?
最後に、昨今のビジネス環境を踏まえて、NMATが活用されている場面を紹介します。
ぜひ「自社ならどんな場面・どんな階層に活用できそうか」を想像しながら、ご一読ください。
次世代リーダー(係長~主任層)
NMATを受検するタイミングとして最も多いのは、主任層など、今後リーダーや管理職を目指してほしい階層での実施です。
現代社会はキャリアの多様化も進んでいるため、かつてのように社員全員が管理職を目指すわけではありません。ただし、自分がこの先どのような立場で会社に貢献していくかを考えるためには、何かしらの材料も必要です。
そのため、管理職になる少し前のタイミングで、今後リーダーとしての活躍が期待される社員に、幅広くNMATを実施するのです。
本人にも上司にもNMATの結果を共有することで、本来の持ち味という情報をベースにしながら、中長期のキャリアについての対話ができます。
人事としては、どのような適性や管理職タイプの社員がどの部署にどの程度いるのかが把握できるため、人材ポートフォリオ管理や社員の能力開発検討の材料にもなるでしょう。
既任の管理職(課長~部長層)
じつは、すでに管理職として活躍しているマネジメント層にあえて実施することが増えています。
これは、管理職の育成や能力開発を目的として、はじめから既任層を対象とするケースがあるからです。
管理職という「役割」を担うにあたり、自分の本来の持ち味とは違うスタイルで組織マネジメントを務め、苦労している方は意外と多いものです。また、実務経験を積んでいると、あらためて自分の資質と向き合う機会はなかなかありません。
NMATの結果のフィードバックを受けると、新鮮な気づきと発見があるという感想が数多く聞かれます。
「この弱みを補完するためにどうするか」「もっと強みを発揮できる場面は作れないか」など、組織に求められる役割と自分らしさの両立を目指し、今後を考えるきっかけとして活用していただいています。
即戦力として期待されるリーダー格の採用候補者
人材の流動性が進む昨今の転職マーケットでは、外部からマネジメント候補者を採用することも珍しくはありません。
その際にもNMATを活用すれば、職務経歴書や面接には表れない管理職の適性が確認できます。
初対面である外部候補者の場合、これまでの経験や実績に加えてマネジメント適性を見極める難度はかなり高いでしょう。
たとえ「管理職経験がある」場合であっても、他社のマネジメント経験がそのまま自社に適用できるとも限りません。
あらためて表に出にくいマネジメントの資質を確認することは、外部から新しい戦力を迎える際にも、重要な情報となるでしょう。
参考:管理職は内部から育成すべきか、外部から採用すべきか
ビジネス成果を大きくするために、社員一人ひとりの資質を生かす
『成長して本当の自分になることは、勇気がいること』
これはアメリカの表現主義的詩人として知られる、E. E. カミングス(Edward Estlin Cummings) による言葉です。
NMATは、企業にとっては社員一人ひとりの資質をビジネスの成果に生かし、最適な人材配置を実現するためのツールです。
同時に、受検する社員にとっては、自分の経験と資質を客観視し、強みをさらに伸ばし、弱みを補強するための具体的な行動につなげる機会になります。
ひたむきに目の前の仕事と向き合っている社員のポテンシャルを生かすために、NMATの活用を考えてみるのはいかがでしょうか。
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