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昇進昇格場面を、「人財」と「技術」を生かす機会にする ~客観データで公正かつ透明性の高い昇進昇格と人材育成制度の同時実現へ~

2026年01月14日 導入事例

「技術を売る会社の財産は人財にある」という信念を持つ大成温調株式会社様。
人財統括部の柏倉様と中村様は、ご自身の現場経験を思いの根幹に据えながら、社員がより良くはたらける環境を追求しています。

同社が管理者適性検査NMATに注目したきっかけは、昇格審査の過程で社員一人ひとりの可能性を客観性に捉えるためでした。
受検者本人にもフィードバックツールを展開し、管理職適性だけではなく幅広い「業務適性」を生かそうとする企業の取り組みについて、伺いました。

INDEX

  1. 取り組みの背景・課題
    -現場を知る人事として、できることを考える
    -「技術」を売る会社の財産は「人財」にある
    -全国展開しているからこそ、人事評価には公平な基準が必要
  2. プロセス・実行施策
    -社員の可能性を多角的に探れるツールを求めていた
    -管理職適性ではなく業務適性」を把握したい
    -本人にフィードバックができることを重視
  3. 成果・今後の取り組み
    -継続性のある人事施策を実現する能力開発データとして期待

取り組みの背景・課題

現場を知る人事として、できることを考える

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執行役員 人財統括部長 柏倉 様

柏倉様:私はもともと人事職ではなく、施工管理職として入社しています。主に関東支店で、現場を長く経験してきました。支店の副支店長として、あるいは営業責任者をしていたときも、育成について人事担当者と意見交換する場や、評価制度改定の検討チームに関わるということはありました。本格的に人事業務に携わるのは、本社部門に異動してからのことです。

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人財統括部 人財企画部 マネージャー 中村 様

中村様:私は2009年に営業職として入社しています。国内の営業を担当し、中国担当として現地赴任も経験しました。その後、事業企画やIR・広報を経て、人財統括部のうち企画部門が立ち上がる際に異動してきました。主に健康経営と、昇進昇格関連の制度設計や運用に携わっています。

「技術」を売る会社の財産は「人財」にある

柏倉様:我々人財統括部は、社員が意欲高く働くことができる環境を目指し、人に関わる企画や新しい仕組みづくりを広く担います。人的資本経営や健康経営などの新しい潮流を取り入れつつも、組織の土台づくりとしてジレンマや変化を伴う課題にも向き合っていきたいです。

人財統括部の責任者として着任した現在も、これまで培った現場経験が自分の一番の根本だと考えています。現場が分かる人間が人事を務めることに周囲や経営からの期待もあると考えているので、現場の空気感を忘れないようにしていきたい。

中村様:私もやはり営業部門を経験してから管理部門に異動してきていますので、お互いの立場や考えが分からなくなることが起きないよう、つないでいくことを自分の役割として捉えたいです。

「人財統括部」という部署名が示すとおり、弊社は創業時から「人が財産」と考えています。弊社がお客様に提供しているのは「モノ」ではなく「技術」ですから、提供する「人財」がいないと成り立たないのです。

建設業は人手不足の環境にありますが、現社員だけではなく、これから入社してくれる「人財」にも安心や魅力を感じてもらえるよう、エンゲージメントサーベイやコンディションチェックをはじめとする仕組みを整えています。

全国展開しているからこそ、人事評価には公平な基準が必要

ヒアリングを通じ社内の意見をくみ取るなかで、若手社員がモチベーション高く仕事ができる土台をつくる必要性を感じていました。とりわけ評価の納得感について見直しの必要を感じたのが、昇進・昇格審査です。

昇進・昇格審査は、どうしても上司の影響が大きくなります。対象者を最も良く理解しているのは上司ですが、人間ですから多少は主観が混ざるものです。何より弊社は全国各地に支店があり、事業環境や組織状況もさまざまです。

候補者全員を平等に見られる客観的なものさしが必要なのではないか。全国の等級の標準化を目指し、統一の指標を持つために具体的に検討を始めました。

プロセス・実行施策

社員の可能性を多角的に探れるツールを求めていた

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昇格審査を見直すにあたり、世の中で一般的な手段を幅広く情報収集しました。そのなかで、社員の可能性を多角的に探れるツールとして適性検査が候補となりました。もともとスキルや能力を測る人事評価のシステムはあったので、そこを補完する情報として適性検査は相性が良いのではないかと思ったのです。

「管理者適性検査NMAT」に注目したのは、多くの企業で導入されている信頼感があり、かつ、性格特性や能力、マネジメント適性といった内容が1つのテストで測れることが理由です。また、副社長や人事部門の数名でトライアルを受けた結果に、納得感があったことも導入の決め手になりました。

これまで「何となく」捉えていた特性がデータでクリアになることで、まさに今の弊社の昇進・昇格の裏付けや納得感につながる手応えを感じたのです。

管理職適性ではなく「業務適性」を把握したい

一昔前は「マネジメント=出世」のような風潮もありましたが、今はさまざまな形で会社に貢献できる世のなかです。

弊社は、マネジメントラインとエキスパートラインの複線型の人事制度を採択しています。マネジメントは、会社の成果を支える多様な業務の一部と捉え、昇進・昇格場面でもフラットに「どちらで活躍できるか」「本人がどちらを希望するか」を軸に判断することが重要だと考えています。  そのような背景もあり、弊社ではNMATを「業務適性試験」という呼び方にしています。

実際に受けた社員に聞くと、「緊張した」という声もあがってきます。いい意味で少しプレッシャーも感じながら、あらためて自分自身・キャリアに向き合う機会になっているのではないか、と捉えています。

本人にフィードバックができることを重視

昇進・昇格審査のためのツールを検討している際、テストは結果を本人に返せるものであるべきだと考えていました。合否だけを知らされるのではなく、将来的な成長を本人が主体的に考えられるきっかけになってほしいからです。

その観点でNMATは特にフィードバックが充実していて、受検者本人の学びにつなげることができるという考え方にしっくりきたのも導入を決めた理由の1つです。

社員には自己理解と能力開発を促し、今後のキャリアを考えるきっかけとして活用してもらいたいと思っています。

成果・今後の取り組み

継続性のある人事施策を実現する能力開発データとして期待

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NMATを検討する入り口こそ昇格審査でしたが、実際にやってみると教育につながる施策になりました。

結果を踏まえて、例えば「本人は希望していないが、向いているのではないか」や「適性としてはそこまで高くないが、行動を促すためにあえてチャレンジしてもらうのはどうか」など、社員一人ひとりに対し期待をかける切り口となっています。

これをきっかけに、能力開発を目的とした活用の在り方も前向きに考えていきたいです。そして将来的には社員の強みを生かし、会社が必要とするタレントプールを探る情報としても活用できるようになるかもしれません。

人事としては、施策の「継続性」を今後の施策の軸に置いています。
NMATもやがて社内の共通言語として人財育成に生きてくることを期待しています。

人的資本経営において、NMATだけでなにか大きな変化が生まれるということではありません。あくまでも人による検討・意思決定が中心にあり、その補助ツールという位置付けで捉えています。一方で、NMATが示す本来的な強みや適性は、複合的に活用するべき情報の1つとして必要だと感じています。
情報を照らし合わせることで、これまでやってきたことがあながち間違いではないということも再確認することができました。

昇進・昇格を旧来的な管理職になるならない、を決める場面としてだけでなく、マネジメントライン・エキスパートラインどちらの可能性も踏まえた「キャリア開発の起点」とする。NMATの導入をきっかけに、そういった人事施策の在り方についても検討し、形にしていければと考えています。

データで示されるからこそ、社員本人もあらためて自分の特性と向き合うことができます。NMATの結果をもとに中長期のキャリア開発を考え、自己実現の道を歩んでほしいと思っています。

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大成温調株式会社(TAISEI ONCHO CO.,LTD.)

https://www.taisei-oncho.co.jp/

設立
1952年(昭和27年)12月22日
事業内容
空気調和・給排水衛生・電気設備の設計、施工管理、メンテナンス
社員数
連結:784名、単体:581名(2025年3月末時点)